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子供というのは良くわからない。

本当によくわからない。

とてつもなく不機嫌でクレーマーだったかという日もあれば、次の日にはコロッと普通の娘に戻っていたり。

1日単位でなく、分単位でコロッとしたり。

ある穏やかな日の話。

5歳娘はYouTubeが好きだ。もう娘にとってはテレビ感覚だ。

観たいというので、じゃあ、私はその間休憩しようと、別室へ行った。

しばらくは静かに観ていたと思う。が、ふと音が聞こえた

娘が冷蔵庫を閉めた音だ。

バタン、と聞こえてくる。

しばらくしてまた、バタンと聞こえた。

私は笑いが止まらない。アッハッハ系の笑いじゃなく、くくく、みたいな笑い。

いつ頃からだったか、まだ小さかった娘が届かないようにと思って、冷蔵庫の上の扉の引き出しの中に飴やお菓子をしまっていた。勝手に食べないようにと思って。

それも3歳過ぎには自分で台など持ってきて、工夫して届いていたが、5歳には背伸びでその冷蔵庫の中の引き出しを開けられるようになっていた。

しかし、私が見えない場所にいる時に、内緒でごそごそと冷蔵庫の開け閉めをしているのに初めて気付いた。

飴をこっそり食べているのだと思って、笑いが止まらなくなった。

娘も、しめしめと思ったか知らないが、ママに内緒でこっそり食べちゃおう、と思ったに違いない。

3回バタン!と聞こえてきた時、YouTubeを観ている娘のところにそーっと行ってみた。

「ママには内緒にしても全部バレてるんだよ!」

「え?」

「飴、食べていたのわかるんだからね!何個食べたの?」

「、、、3個、」

聞いてすぐ、こりゃー!と言って、くすぐった。

くすぐりながら内心安心した。バタンと言った回数と同じだったから。正直だったから。

安心した次には、娘の悪知恵にびっくりした。

いつもは机の上に飴の包み紙を散らかしたりしているくせに、その時はゴミが置かれていない。

あれ?と思って、ゴミ箱を覗いてみたらちゃんと包み紙が3枚捨ててあったのだ!

「ゴミまで自分で捨てたの!?」

うん、と言うと、娘はえへへという顔をしていた。

「ねえママ、なんでわかったの?」

「秘密!」

ぐふふ、内緒で食べていながら、冷蔵庫を閉める時は思いっきり普通にバタン!と閉めているあたりがまだまだ子供よ!うちはそんな壁厚くないのよ!

と思いながら、ついにバレないようにゴミ箱に捨ててまでごまかそうとするようになったか!と、成長だけど喜んでいいやら何やらわからない複雑な気持ちになった。娘なりの完全犯罪を試みたのだ。

味噌汁に蜂蜜を入れてしまったような衝撃だ。

今はまだ素直な5歳3ヶ月の娘だけど、いつかは本気の嘘をついたり、しらばっくれたりするんだろうなと思った。それも大人への階段だよね。

今回の飴を食べていたことなんて懐かしい思い出になるのかなと思って、隠そうとしてバレちゃった娘のことをくくくと笑いつつ、なんか切ない気持ちになった。