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教えても素直に従わないところは、娘がずっとずっと小さな頃から私が悩んできたことだ。

周りの子と比べてもあまりにも親の言うことをきかない。

頑固で、こちらも頭にきてしまう。

育て方が悪いのかと悩んだし、あんなに素直じゃないなんて、どんな子育てしているのかと思われていたんじゃないかと被害妄想的になることすら多々あった。

アスペルガー娘の特徴 何かを教えても言うとおりにせず、独自のやり方で習得しようとして失敗する、できなくて凹んでいる

例えばどんな感じかというと、

5歳娘がト音記号を書きたい、教えて欲しいと言ってきた。

私が教えたんだけど、お手本を書いてみたが見ながらではすぐうまく書けない。

だから、私の手本をなぞり書きするように何回も言うのだが、どうしてもいきなり自分のト音記号を書きたいようで、

まずなぞり書きにたどり着くまでに何回も何回も言わないといけない。

しかも自分で言うことを聞かずに独自のト音記号を間違えて書いたくせに、うまく書けないと凹んでいる。

何度も私がこうしたらうまくいくよと言ってみても、全く言うことを聞かないくせに、ひとりでできなくて落ち込むとか、付き合っている方はやってられない気持ちになる。

もう勝手にしろ!と言いたくなっても仕方ない。

こちらはずっとこんなことの繰り返しで子育てしているから、いい加減頭にくる。

どれだけ忍耐のある人でもこういう子は特に扱いにくく感じると思う。

これが障害なんだと知らなかったら、毎日何度もこの繰り返しじゃ嫌になる

正直、障害だとわかっていても嫌だ。

この教えても教えても言うとおりにしない障害の部分は本当にいらないなと思う。

親は子の指導者だけど、指導者としてはもっともやりにくいタイプになると思う。

なぞってごらん!だからなぞってみてったら!ときつく言わないと、全然なぞろうともしない。

紙の余白に自分の全然できていないト音記号を書こうとばかりして、凹んでいる。

何回言ったかわすれたが、語尾がだんだん強くなってきて初めて、わかったと手本をなぞることをした。

これが多分の話だが、何人か子供がいて、誰かが私の手本をなぞれば、娘は素直になぞると思う。

素直になぞったように見えたとしても実はそうじゃなく、負けず嫌いで闘争心が強いので、私だってそれくらいできる!みたいな気持ちから素直に従うと思う。

これが一対一だと、本当にうまくいかない。

結局、何度かなぞったら、みるみる自分でも書けるようになった。

だから、最初から親の言うことを素直に聞いていればいいのに、とすごく思う。

たったト音記号を教えるということだけに、どれだけ私がヤキモキしてイライラしたか。

これがアスペルガーの子育ての厄介なところである。

子供なんて何も知らないで生まれてくるくせに、手本に素直に従わないなんて、その親はどれだけ只の生活が大変か、私は娘と付き合って始めてわかった。

育てにくいってこういうことだ。育てにくさを感じる人はいても全然おかしくないと思う。

その独自のやり方の何かがうまく成功して、自分で凹むことなくどんどん全てできるようになればいいのになと願ってやまないが、まだまだ現実は厳しい。

これが成人以降なら、新しいやり方や発明で会社や世の中を引っ張っていくことができるかもしれないが、そこまでにたどり着くまでが、ものすごく大変なんだ。

ちょっとした教えるということがこんなに辛いなんて。

誰かと遊んでみたり、幼稚園で他の子供と関わる時、同じ年の子供たちの素直さに感動すら覚えることがある。

ト音記号のこの出来事も家の中でのほんのヒトコマなんだけど、誰にも見えないところで、無駄な?苦労をしている自分を精一杯誉めたくなる。