娘が2、3歳くらいからだろうか、、大した怪我でもないのにやたら絆創膏を貼りたがることがわかってきた。
本当に大したことじゃない。
大人ならそんなもん!気にする方が!っていうくらいの小さな小さな指のさかむけとか。
ほんのちょっとかすり傷が付いちゃった、とか。
子供は絆創膏を貼りたがるっていうのを日々実感中。絆創膏の魔法
ええーん!ここが痛くなっちゃった!さかむけが痛いよー!絆創膏貼ってー!
今より幼かった頃はこんな感じである。
こういう自分の娘のひいいいい痛いよーーー、みたいな声がどんなに小さくても不快に感じるのは母親センサーなのであろうか。
こういう時、きた!みたいな感じでこれ以上泣き叫びませんようにと警戒し、イラっとしてしまう自分がいる。
しかし、あれはなんだろう?ものすごい魔法のようだ。
どこが痛いの?ここか、じゃあ絆創膏貼ってあげるねと言って、絆創膏をぱぱっと貼ると、びっくりするくらい瞬間的にケロっとして普通になるのだ。
さっきまで痛がって顔を不安げに歪ませていたのは誰だ。
私がさっき貼った絆創膏には実はすごい薬が塗ってでもあったのかっていうくらいに。
しかも、ちょっと高めのキャラものの絆創膏ではなく、いたって普通の肌色のその辺に売っている絆創膏なんである。
普通の肌色の絆創膏でも事足りるのは母としては嬉しい。(安上がり)
2、3歳の頃にはちょっとキャラものの絆創膏を買ったり、肌色の絆創膏にマジックでちょっとした絵を描いてやってかわいく工夫したこともあったけど。
うちの娘の場合、そのうちかわいい絆創膏であることよりも、どんなものでもいいから絆創膏を貼ること自体が重要だということがわかってきた。
そして、その痛がって貼ってもらいたい兆候というのはどこにいたっていきなりやってくる。
5歳にもなるとかなり我慢ができるようになったので、昔ほどは困らなくはなった。
しかし、出先でいきなりここが痛いよー!が始まった時に絆創膏を持っていなかったら、、、どんなに唾をつけとけと言っても、ちちんぷいぷい!っと魔法っぽい演技をしてみても、しばらくは痛がって対応に困る。
なので、いつくるかわからない緊急事態に備えていつからか財布の中に5枚以上は絆創膏を入れて持ち歩くようになった。
どんなに貼る必要なんかないだろうと思うような傷でも、「そんなの我慢しなさい!」と言ってしばらくバトル状態になるより、「あ、そこが痛いの?じゃあ絆創膏貼ろうか」ってささっと貼ったほうが親子共に一気に幸せになれるからだ。
娘にとっては一種の精神安定剤的な役割を持っているんだろうと思う。絆創膏貼ったから大丈夫!みたいな。
絆創膏様様なんである。
もう私にも娘にとっても絆創膏は魔法のようなものなんである。
そんな娘は夜寝る前になると、それまではなんともないのに自分の指先なんかを突然痛がり始めたりする。(発達障害が関係しているのかもしれない)
自分でよく見えるからか、指のさかむけが特に気になって仕方ない傾向が見られる。
さかむけって確かに気になったりするけど、さっとさかむけ部分を切っておさまる場合と、そうでない時がある。
寝る寸前によく痛いと訴えてくるので、私は絆創膏を貼ってあげたりする。
そうすることで落ち着いて眠れるようなので、そうしている。
最近なんかは絆創膏を貼って寝れば大丈夫と思っているのだろう、自らごそごそと貼って寝たりしている。
朝起きた時なんかは既に外れていて、どこいった?って状態なんだけど。
昨晩、娘はまたいきなり寝る寸前の暗い部屋の中で起き上がり、絆創膏を自分で貼っていたようだった。
私は付き合いの添い寝の途中で寝たふりから眠くなりウトウトしていた時、その気配を感じていた。
そして、寝てから2時間後くらいか、、隣で一緒に眠ってしまっていたら、娘が小さな声で痛がり始めたんだ。
うううう、痛いよーー、、手が痛いよーー、、
しばらくするとまた、
ううう、痛い、、痛いよー
初めは寝ぼけているのかと思って、手をさすってあげていたんだけど、どうやらおかしい。
娘は「時々おさまるんだけど、またしばらくすると痛くなってくるのー、しくしく」と。
これは何か本当に痛そうな感じだと母親センサーが察知した。
どれどれ見てみようと電気をつけた。
まぶしい!っと目をこすりながら、娘の痛がる手を見てみると。
人差し指と中指に絆創膏が貼ってあったが、なななんと!指先が2本とも紫色に変色している!
どれだけ力を込めたんだか、ぎゅーーっと絆創膏を貼ってしまったらしくクビレまでできているではないか!
思わず「こりゃ痛いわ!」と言ってしまった自分がいた。
急いで絆創膏を外して、指先をさすった。
血が止まってしまっていたんだ、、あぶないあぶない。
無事に娘の痛みは回復し、ほっとしたのかまた眠りに入っていった。
絆創膏の魔法に付き合って数年。
自分で絆創膏を貼れるようになったことに成長を実感していたが、こんなことは初めてだ。
ゆるゆるだと外れてしまうし、きつきつだと血が止まるし。
絆創膏のさじ加減って結構難しいことなんだなって気付かされた。
昨晩見た指はしばらく忘れられそうにない。
指先がひょうたんみたいになっていた。
朝起きて一番に娘の指を確認し、無事動くことにホッとした母だったが、きっとこれに懲りずに絆創膏の魔法にはお世話になるんだろうなと思う。