花見に行ったんだ。
ものすごく広い公園。
桜が雲みたいに広がってとても綺麗。
暖かくて、多くの人で賑わっている。
自転車で娘と二人で来たんだけど、あ、私自転車の鍵取り忘れた!と気付く。
娘に一緒に取りに行こうと言ったら、ううん、と言われた。
え、じゃあ待っているの?
「うん。」
でも迷子になるから一緒に行こう?
「わかった。」
それで二人で、桜キレーイ!!と言いながら、自転車が見えるところまできた。
私は自転車のところに行きたくなかったのについてきてくれたから急がなきゃ!と思って、見通しが良くて人もあまりいない、あと20mくらいのところまできた時、
ちょっとここで待っててね!って、ひとり娘を桜の木の下に残し、急いで自転車の鍵を取りに走った。
10秒もかかっていない、自転車の鍵を取り、きた道を振り返ると、、
娘がいない!!
え、今ここにいてって言っていたのに、、!
娘は毎回ではないが、テンション上がって楽しいところにくると、私からも離れて、興味がある方にどんどん一人でかけて行ってしまうところがあった。
過去系なのは、一度、3歳3ヶ月あたりでスーパーで迷子になった時、(その時も一瞬でいなくなった)泣きながら、店員さんに手をひいてもらい、「○○ちゃんのママいますか~?」と言うお世話になってから、そういう無闇に走って行くようなことはなくなったが、、。
私のバカ!なんで最後まで一緒にいなかったのか!
見回しても、見回しても、娘は見当たらない。
人が多すぎて、娘の姿を見つけられない。
さっきまで笑顔で一緒にいたのに。
また一人で楽しそうな方に行ってしまったのか、、?
ちょっと場所を離れて違う方を見に行った。
いない、、!
子供達の遊びの輪の中に入っていないか、、?
いない、、!
どうしよう!本当にいなくなった!
ここにいて、なんて、なんで言ってしまったんだろう。
なんでここにいないんだろう、、。
娘の名前を一人で呼んでみる。
返事はない。
だんだん涙が滲んできたが、必死に目をこらす。
こらしてもこらしても、、いない。
こんな広い公園で迷子になったらどうしたら良いのだろう、、。
もう、心の中はパニック。
泣いているに違いない、「ママー!!」って叫んでいるに違いない。
耳をこらす。泣き声は聞こえない。いつもあんな大声で泣くのに、声が聞こえない。
余程遠くにかけていったのか、、、それとも、もしかして誘拐!?
最悪のことまで、頭を駆け巡る。
わけがわからなくなって、仕事中の夫に電話。
「○○がいなくなった、、!どうしよう、、!」
夫もビックリ、、。
そしてもちろんどうにもならないまま、電話を切り、更に捜す。
何度か名前を叫ぶ。
花見の雑踏に声が吸収され、広い公園には響かない。
また、うろうろ捜してみる。
いない、、、!
迷子センターみたいなところはあるのか、でも今移動してもし娘が近くまできていたら、、?とモヤモヤする。
夫から電話、見つかったか確認、、いや、まだいない、どうしよう、、。
娘、ごめんね、もっと抱っこすれば良かったよ。
そのふんわりした頬っぺた濡らして泣いてないか、私の今の張り裂けそうな気持ちと同じ、寂しすぎる心細い思いしていないか、ごめんね、ママがバカだったよ、お願いだから無事でいてよ、早く安心させてあげたいよ、ママはここだよ!
どこに行ったの?!さっき撮った笑顔の桜の写真が最後なの?
なんで離れてしまったんだろ、、時間、巻き戻したい!
もう髪全部白髪になるかと思ったくらい心配と後悔と焦りが押し寄せてきた。
その時、
「ママー!」
、!、!!
娘が小さい山になった方から、とっとこかけて坂を下ってきた!
名前を叫んで、抱き締めた!
心配したよ、どこ行ってたの!
良かった、いなくなったかと思っちゃったよ!
あーー!張り裂けるかと思った!
娘は全然泣いていなかった。
ケロッとしていた。
超予想外。
ここにいて、と言われた場所からすぐ近くの小山に、離れてすぐ登ったらしい。
花見客がたくさんいるところだ。まさか、そんなところに一人で行くなんて、その人がたくさんの隙間の芝生で立ったり座ったりして、「ママを待っていた」らしい。
しかも、山の上から、ママがキョロキョロしているな~って見ていたらしい、、!
えー!!見てるんだったらなんでもっと早く来てくれなかったの!?
と、ビックリしたが、、
とにかく無事で良かった。
その間15分くらいかな?もう永遠のように長く感じた。
大ダメージの母に、ケロッとした娘。
私は娘をギューっと抱っこし、それを繰り返した。
娘は「落ち着く~」って言って笑っていた。
娘と予想外に離れて、娘の大事さ愛しさを改めて実感した。
どんなにぶつかりあっても、腹が立っても、大事な大事な娘なんだってこと、、そばにいてくれて、ありがとう、ありがとう!
夫にも急いで報告し、胸を撫で下ろしました。
私は二時間経ってもまだ、心のそわそわがなかなかおさまらず、娘を抱っこしてばかりいました。
しかし、娘、絶対泣いていると思ったのに、、。
いつの間にかたくましく成長していたんだな、、。