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娘は怖がりである。

暗いのがとにかく怖いのである。

おばけなんてないさ、おばけなんてうーそーさーー!

と、明るく歌ったりしてみるけれど、娘は暗いのがやっぱり怖いのだ。

夜が怖い。赤ちゃんの頃から多分そうだったんだろう、今思えば。

どんなに抱っこしてピタリとくっついていても、日が暮れると、泣き出したもんな。

眠る前、絵本を読んで電気を消すのだが、娘は完全に暗いのは怖いので、豆電球?にする。

オレンジのほのかな光だ。

いつからだったか、3ヶ月くらい前からかな、娘は「夢のお願い」をしてほしいと言い始めた。

寝た後に怖い夢を見たくないから、らしい。

怖がりだから、毎晩毎晩、寝る前に必ずお願いをする。

それはこんな風である。

娘「ママ、夢のお願いして」

私「○○○が楽しくてキラキラで素敵な夢をたっくさん見られますように」

私がおまじないみたいに娘に向かって言うと、その後娘は必ずこう言う。

娘「どうか、この願いを叶えてください、お願いします。○○○、○○○、○○○

この○○○のところは、娘の名前→私の名前→夫の名前、で必ずこの順番で言う。

私が私の分もお願いしてとは言っていないのに、勝手に家族分の名前を言い出した時は笑った。

それを毎晩毎晩が恒例になったが、今日の読み聞かせに娘が選んだ本がシンデレラだったので、ノリで

「○○○がガラスの靴をたくさん履ける夢が見られますように」

と言ったら、間髪入れずに、
「それは嫌だから違うの言って!」と。

「じゃあ、、○○○がホイップクリームの中でキラキラな宝石をたくさん拾う夢が見られますように」

って言ってみたら、

それいいねー!」だって。すぐに、「どうかこの願いを叶えてください、~」を言い始めた。

私の思いつきが適当だったとはいえ、ホイップクリームの中でって、ベッタベタだけど、それでもいいのか!?娘よ。

ベッタベタの中で宝石拾うの楽しそうなのか!!?

それいいねー!と言われていながら、心の中で、それでいいの!?なんてツッコミを入れていた。

その間に娘はすやすやと眠り始めた。

この夢のお願い、いつまで続くのかな。

娘が良い夢を見られていますように。ぐっすり眠れますように。そんな夜の静かな願い。