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ハムスターが手を噛む 8歳娘と命の勉強

この夏、我が家のペット事情は大きく変わりました。

我が家のペットはメダカとベタでしたが、メダカは最初に飼っていた生き残りの白メダカの老魚2匹が、この夏の暑さで追いかけるように死んでしまい、残りは途中で入れた黒メダカだけになってしまったのです。

黒っぽいメダカ鉢に入る黒メダカというのは、そのものにとっては安全になるのだと思うのだけど、映えるかどうか目線で見てみると、ほとんど気配が感じられず、いずれ入れ物ごと変えないといけないかもなと思っています。

ベタの方は、梅雨寒のために手配したヒーターの作動がおかしくなっていて、これまた星になってしまいました。

短い命に娘は泣きました。ベタは結構人に懐いていたのです。号泣する娘をなだめるのはなかなか大変です。
私も悲しいし悔しいからです。

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ハムスターが手を噛む 8歳娘と命の勉強

その後、しばらく何か飼うということに気分が向かなかった。いつもベタが餌くれダンスをしていた場所を、もういなくなったのについ見てしまう、そんな日々が私も続いていました。

それでも、人間はいつか慣れるものです。私もその癖が今やなくなったことに気が付くのです。

10年も経てば、私の場合は死産した息子に水をあげるのもうっかり忘れてしまうくらいなのですから。

娘は本当はいかにもペットらしいペットが飼いたい。それが好かれるか飼えるかどうかは別として。

だからたまに、猫カフェとかそういうところに連れて行って、少しはふれあうことをさせてみる。

でもやっぱり、動物に好かれるタイプではないなと、私には思える。本人がまるで小動物のようだからなのと、反応がいちいち大きくて声も大きくて、かなり人間慣れして長老か夜の女王みたいなどっしりした猫でないと、びっくりして嫌がられてしまう。

そもそも猫カフェにいる猫も、人間なんてこんなもんかという感じで、人間に興味もなさそうなのだ。たまに、すごくどっしり構えた猫がいてくれると、娘はとても喜んでいる。猫様にありがとうと言いたい。

それで話がそれたが、結局娘は小さいものが好きで、ハムスターの面白動画をしょっちゅう観るようになっていたので、ハムスターはどうか?と思ったのだ。

そうしたら案の定飼いたいとなった。場所もとらないし、寿命も2年ほどだという。下手したらメダカより早く死んでしまうかもしれない。

娘が選んだのはジャンガリアンハムスターだ。ゴールデンハムスターより小さい。とても小さい。名前は「ころりん」とつけた。

選ぶ時に2匹見せてもらったのだが、迷って娘が選んだのは、これは馴らすのが大変になるかもしれないなと予感した、元気に動き回る方だった。

このセレクトはきっと色や見た目でなく、反応が大きい方が単純に娘目線でかわいい!楽しい!と思う基準の一つなのだろうと感じる。

メダカを盆栽のように感じていそうだと過去に私が表現したことが、またここで証明された感じだ。動きの小さいものより、わかりやすい反応を求めている。動くならミリではなくせめて数センチは動いて欲しいのだろう。

ただ、これが予感した通り元気で、元気なのは良いのだが、おっとりしていないのでとにかく気が強い。ケージに入れて餌の取り替えで手を入れただけでも、ジジジ!とか言って鳴いて威嚇する怖いメスなのだ。
強行すると指を噛まれる。

血が出るか出ないかのぎりぎりの強さで噛まれるのだけど、かなり痛い。

実は娘は3歳位の時、小さな動物園のリス小屋に今注意しようと声に出そうとした瞬間に既に指を入れてしまい、まんまと噛まれて血が出て大泣きした過去があり、かわいい飼いたいと言った割には、私が噛まれるのを見てトラウマが復活してしまったようだ。

だったら、最初からもう一匹の大人しそうなハムスターを選んでいれば、、というのはこっちの都合である。言いたくなっても、子供ってこういうもんなんだ、元気がいい、動きが活発なのが好きなのに、それを怖くて触れないという矛盾を持った生きものなんだ、そのことを責めちゃいけねえんだって、どういう慰めかわからないけど、自分に言ってみた。

それでも、私は噛まれるのは嫌だし、痛いし、できるならジジジなんて鳴かれずに仲良くなりたいので、何度噛み付かれようと、自分の手のひらから餌を渡すのを諦めなかった。

いつかころりんが、自分から少しずつ歩み寄って、この手のひらの上の感触や、手というのはいくら噛んでも自分には攻撃してこないのだということを証明をしたくて、何回餌と関係ない部分をガブつかれようが、まるでムツゴロウさんのように耐えたのである。

って書いたけど、流石にあまりにガブッ!!と噛まれるとショック反応で、手を思わず動かしてしまうってことは何度かあった。それでも、毎日一度は必ずそれを諦めず続けた。

すると、扉が開きこの手が出てくると、ちょっと美味しいものがもらえるというのは、いくらハムスターといえどだんだんわかってきたらしい。

最初は震える片手をうっすら乗せるだけだったのが、両手になった。

貰ったついでに必ず5回はガブガブ噛んでいたのに、その間に1回くらいはペロッと舐めるようになったのだ。

ガブ、痛!、ガブッ!!痛!、ペロ、!、ガブ!!痛ッ!!!みたいに。

そのガブの途中にある、ペロっていうのが嬉しかったのね。
最初はペロもくそもなかったのだから。

だから何回ガブッとされても、そのペロがある限り、絶対仲良くなれるのだ私を信用してくれる日が来るのだと思って疑わなかったわけ。

そりゃ私は、悪趣味なことをたまに娘に言ってみる。それは可愛さ故なんだけど。今日はころりんの唐揚げね、とか。

その度に自分は触ることもまだままならないのに、ママそういうこと言うのは本気でやめて!って言ってくる娘がいる。

ただケージの外から見るだけなのに、そのコミカルな動きや食べている様子や、ただ寝ている姿であっても、とても幸せそうに「かわいい」とつぶやきながら、ニコニコしたり笑い声を上げたりして喜ぶ娘がいる。

待てよ、これどこかで見た自分じゃねえか、なんて思ったりする。

娘はころりんが来てから、ハムスター面白動画を見なくなった。憧れだった存在が今、自分の家にいるのだ。

そして、私はついにある日、ころりんが一度もガブッとしない日が来たことを感じた。噛み付かずに私の手のひらに座って、体を預けたまま、もぐもぐと落ち着いて食べているのを見た。目の前で見た。

何度もかじられて、赤くなって食器を洗う時ヒリヒリしていたのなんてどうでも良くなるくらい、嬉しかった、。それはとても静かな時間だった。わずかな時間だった。だけど、この痛かった2週間が報われたような瞬間だった。

それを見た娘はいいなー!と羨んだ。

自分は噛まれるのが怖いからできないけどママはいいなー!と言うのだ。

私は娘をこれまでも何度も励ました。私が噛まれてきたのも、自分だけがころりんに餌をあげるためではないのだということを説明した。

この、手のひらで食べることの安全すらわかれば、それが娘の手のひらになっても絶対できるはずだと思っていたからだ。

ころりんが私の手を怖がらなくなって3日目くらいに、娘に初めて私の真似をさせて娘の手のひらから餌をあげてみた。

すると、ころりんは娘の手の上に乗って、私にしたのと同じように手から食べたのだ!

感動した。

私の手の上で食べた時より感動したかもしれない。
娘の喜ぶ顔。食べてくれてるー!という声。

その羽のように軽くてふわふわした体と、ちっちゃくてこそばゆい足が、ちゃんと娘の小さな手のひらの上にあって、両手に餌を持って動かず食べているのをしっかり見ることができたのだ。

噛まれることで諦めてしまってはこの感動は味わえなかった。最初から大人しいハムスターを飼っていては気がつかなかったかも知れない。

ここまで噛まれ続けて、途中のペロに気付き勝手に励まされなかったら、それをかわいいなと思えなければ、なつかないハムスターとしてずっと一緒に暮らしたのかもしれない。

思えば、パイオニアというのだろうか、新規開拓する人というのは苦労の連続だろうと思う。必ず噛み付かれるし、傷つくのだ。開拓するまでの障害はきっと想像以上に半端ないのだ。
でも、その開拓する人がいないと、次には繋がらなかったりするのだ。

それを私はこのハムスターから学んだのだ。

だからたまにこのハムスターに向かって、時代劇で「お奉行様!」と言う人みたいに、「ころりん様!!」と様付けで呼んでしまい、娘に「普通に呼んでよ」って、鬱陶しそうに言われてしまう。

だって、こんなにでかでかしい重々しい人間のおばさんが、こんな小さな小さな存在に様付けするのって、傍から見るとすごくコミカルでイイじゃないか!と私は思ってしまうの。そういう自分が嫌いじゃないの、ころりんの尻に敷かれたいの。(?)

娘にいくら、怖くないよ、こんな噛みつきくらい気にするなよと言ってみても、娘だけで世話をさせても、こうはならなかったと思う。

先に私が何度噛まれても諦めないところを見せられたことが良かったなあと。成功したのを見せることができて良かったなあと。

そして、娘はトラウマがあるからひどく怖かったけれど、勇気を出してチャレンジしてみたら、手のひらに乗せて餌をあげるというすごく羨ましかったことを達成することができたのだ。

トラウマを乗り越えるのは誰だってきついことだ。娘にとって恐怖心はこれからもおそらく消えないけれど、大きな一歩になったに違いないのだ。

最近、ころりんのジジジ!という鳴き声を聞かない。

この2週間だけでもこんなに小さくて大きなドラマがあった。

これは大げさに言うなら、私は命の勉強だと思う。

逆にもうカブッとされないかと思うと、あの日々が懐かしい。

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これからもよろしくね。
もっと仲良くなろうね。

また噛んでもいいよ。



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