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夢のせいか、ふと息子の写真と足形が見たくなって、ごそごそと探した。

娘のも探した。

少し違うけど、でも良く似ている。

昔も見せたことあったと思うけど、あの頃はまだ良くわかっていなかったのかなと思う。

あまりにも重い現実で、娘の存在にも関わることで。

でも、なんとなく写真を見せた。

その写真を撮った日は、息子とのお別れの最後の日、もう死後5日くらい経っていたかなという記憶。

息子を見せて欲しいと看護師さんにお願いしたら、少し曇った顔をされた。もう時間が結構経っていたからかもしれない。

最後にしますと、約束した。

その時の写真。

娘はしばらく見つめていたが、突然顔を下に向け、ひくひくし始めた。その後、声を上げて号泣した。

うううわーんえええーんあああああー、と大きな声で泣いた。

なかなかおさまらない。私は背中をとんとんしながら聞いた。

どんな気持ちがしているのか?と。

すると、娘は答えた。

「私、前、皆でお兄ちゃんの前で祈っていた時、本気で祈っていなかったかもしれない

それを聞いて驚いた。

まだ7歳。このお兄ちゃんの写真を見て、そんな風に思ってくれたなんて。

その気持ちに気がついて、悪かったなと思えたことは、すごいことだと思ったし、そのことを素直に私に伝えてくれたのが嬉しかった。

その後も、わんわん泣き続けたので、大丈夫?まだ悲しいの?と聞いた。

そうしたら今度は、
「人が人を燃やすなんて、ひどい」と言う。

こちらは、7歳らしい答えで少しズッコケた。

火葬しないと人は腐るし、ミイラにするのも大変だし、場所もないから、骨にするために焼くんだよ、と説明した。

まだしばらく泣いていた。

今日はバレンタインのためのチョコレートを作る予定なので、気持ちはわかるけど、ずっと泣いていたら作れないよと言った。

そうしたら、
「絶対お兄ちゃんにもひとつはあげたいよ」と。

今まで言わなかったことだ。感動した。

娘は優しい。豊かな感情を持っている。そのことが私は嬉しい。

その後、しばらく泣いておさまってきたら、お兄ちゃんの遺骨の前でひとりで瞑想したいと言われた。

瞑想なんて私は娘に話した記憶がないのだけど、。私が側にいるより、今はひとりでお兄ちゃんに気持ちを合わせたいのだと言われて、私は部屋を離れた。

しばらくして娘は私のところに戻ってきた。

「私がいつまでも泣いていたら、お兄ちゃんは自分のせいだと思ってしまうと思うから、悪いから」と言うので、

お兄ちゃんは赤ちゃんだったから、そこまでは考えていないと思うよ、と言ったら、

「霊界でも誕生会とかしていると思うから、、同じように歳をとっているはずだから、(お兄ちゃんもわかっているはずだ)」と言われてしまった。

娘よ、いつから霊界なんて言葉を知るようになったのよ。私は何も言わないのに。(本当です)不思議だなと思う。

私は、そうなんだ、と、肯定も否定もしないで娘の優しい気持ちに泣きそうになりながら、頷いた。

「大丈夫、お兄ちゃんはいつも私たちのこと見守ってくれているよ」と伝えた。

さて、チョコレートを作ろうか。まず、、買い物からだ。