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5歳娘は泣き虫だった。

小さな頃から敏感で暗くては泣き、お風呂で泣き、ドライヤーで泣き、掃除機で泣き、マンションの点検にきた知らない人が家に入っただけで大泣きだった。

その内、敏感で繊細なだけでなく自己主張が強く、そのための泣きも加わってきて入園前入園後も、ちょっとしたことで泣いたりもしていた。

娘の場合、結局5歳で自閉症スペクトラムとわかったわけだけど、成長と共に泣き虫な部分も少しずつおさまってきたと思う。

泣き虫な娘に根気よく教えてきたこと

娘の場合は怯えるようにしくしく泣くって感じではなくて、明らかに「自己主張の泣き」だった。

それはそれは周りに響くようにわんわん泣くのだ。

私は診断前から娘に伝えていたのは、「泣くことは周りに迷惑をかけること」だということを伝えてきた。

泣くことが自分の思い通りにする手段になっちゃいけない」ということを言ってきた。

泣いて自分の主張を通すことに結果としてなりやすいから、ワガママと思われるような泣きの時には(大体がそれだったが)まだ3歳そこらだった娘にどれだけ伝わっていたかわからないけど、親として葛藤して悩んで悩んで、ずっと伝えてきた。

泣き虫でもいいじゃない?って考える人もいるかもしれないが、

並んだ時に自分の場所が狭いとか、使いたいおもちゃが貸してもらえないとか、好きな子の隣になれないとか、そんなことでいちいち泣いてその子だけ思い通りになっていたら、いつも人に我慢させていることになる。それは良くないという思いから特にしつこく言ってきたよ。

結局発達障害だったわけだけど、そのまま大人になって、泣けば周りがどうにか私の思うようにしてくれると勘違いして育ったら大変だ。誰からも嫌われてしまうだろう。

すぐ泣く人と一緒にいるのは気が疲れてしまうんだ。そのことを娘に根気よく教えなければならなかった。

もちろん気持ちを受けとめてあげることも必要だけど、ワガママで泣き虫も性格だと開き直っていたら娘のためにならなかったと思うので、伝えてきてよかったと思う。

私も頑張ったけど、娘が娘なりのペースで一生懸命わかろうとしてきてくれたことが嬉しい、よく頑張っていると思う。

感情のコントロールができるようになってきた

5歳7ヶ月になった今では幼稚園でもほとんど泣かなくなったし、家では最近はちょっとおセンチになって泣くこともあったりするけど、泣き方が変わったと感じている。

しくっと涙を出しても、すぐ拭って泣き止むことができるようになった。

これは昔では感情のコントロールがしきれずにできなかったこと。ブレーキがかかるようになってきたのだ。

ギャーギャー大声で泣かれるっているのは大音量で壊れた音を無理やり聞かされるのと同じで、ずっと一緒にいるとイライラさせられる。その理由が本人の主張が通らないという理由ならもっとイライラするのだ。

娘も最近は自分以外の人の気持ちを少しずつだが考えられるようになってきたと思う。

(ひとりひとり考え方や感じ方は違うんだ、自分と同じではないんだ、違ってもいいんだ、ということも都度話している。それは主張が強く泣きすぎることを注意することと矛盾しているとは思うけれど、何事も度が過ぎることは抑制しなければ集団生活ではうまくいかないことも教える必要があると思っている)

年齢と共に娘の泣く回数や泣き方に変化が見られること、私としては数年かかっているけど、その間相当悩んできてはいるけれど、成長が感じられることは本当に嬉しい。

5歳娘の感情移入

そんな娘が昨日、またちょっとだけ泣いた。(自己主張の泣きではないが)

練り消しゴムで自分で作ったネコを片付ける時。

もう猫ちゃんに会えないの?猫ちゃんを崩したくない、、ずっと一緒にいたい、、!」とか言い始めて、一瞬うえーんとなりかかった。

すると、ハッと泣き止んで、紙を取りに行った。

「猫ちゃんを紙に描けばいいってひらめいたの!」

と、自分で解決策を考えて、練り消しの猫ちゃんはちゃんと丸めてケースに収めて、「ママ、猫って検索して?」と要求され(いかにも現代っ子な要求だ)気に入った猫を見ながら、ペンで絵を描いた。

それがこれ。

nekonoe

ニェロソ、になっているが、ニェロンという名前をつけたらしい。

この猫の絵を描いたことで気持ちがスッキリしたようで、私は一安心したのである。

そして、練り消しだけど一緒に遊んでいた猫が消えるという事への悲しみが、なんかちょっと切なくて5歳っぽくて優しくて生意気にはなってきているけどまだまだ純粋でかわいらしいなと思った。

それで書いていて思い出したけど、これって昔焼肉屋に行った時の野菜のエピソードと似ている!

娘は「消える、なくなる」ということに特に不安を覚えるのだなと思った。

それが私が今困っている、いろんなものを溜め込む、捨てられないということにつながるんだろうな、、。

娘のなくなる事への恐怖心がなくなってきた時、きっと昨日みたいに、いつかはスムーズに解決していけるかな?と期待している。